見城徹「たった一人の熱狂」
様々なエピソードを短く書いているので比較的読みやすかったです。
が、本人は当たり前のことを書いてるつもりでも、命を張っている編集者らしく、ページの向こうから激しいオーラが伝わってきました。
大きい文字と相まってなかなかパワーのある一冊でした。
わたしが見城さんを知ったのはNHKのテレビ番組「課外授業 ようこそ先輩」
の再放送でした。
見城さんは母校の小学校を訪ね、生徒同士で作文を編集する、という授業を行います。
グループごとに分けられ話し合いをするものの、なかなか進まない生徒も居ました。
そんな中見城さんは生徒たちの個性を見つけていきます。
個性というと、ずば抜けて完成されたもののようですが、見城さんを見ていると、それが全員にあって、自分からしたらなんでもない、下手したらくだらないことなのだと気づきました。
一見全然かっこよくなかったり地味
だけれど魅力的、なものも個性であり、彼はそれを見抜いて引きずり出す天才でした。
本書には彼の信念や人間性が淡々と綴られています。
どれも正真正銘の彼の強い言葉です。
見城さんは学生の頃いじめられていたと語っています。
「今ある現状がどんなにひどくても、それはプロセスになる。大事なのは最後死ぬ時自分がどう思うかである。」
孤独を味わい、自分と見つめ合ってきた人は強い。
自分の生き方を肯定させられ、そしてこんなもんでいいのかと焦せらされる本でした。
ぜひこの生きた強い言葉を味わってみてください。