ゲーテ「若きウェルテルの悩み」

ゲーテ「若きウェルテルの悩み」

 

恋する青年の代名詞ともなっている名作古典「若きウェルテルの悩み」

高橋義孝訳 新潮文庫 193ページ)

ゲーテのこと、2あらすじ、3この作品のすごいところ、4名言

今回はこの4点についてご紹介したいと思います!

 

 

 

1.ゲーテってどんな人?

ゲーテは1749年にドイツで生まれます。1749年というと、日本は江戸時代。絶賛鎖国中です。

1774年、ゲーテは25歳の時に「若きウェルテルの悩み」を書きます。まさにうら若き頃、この処女作で一気に文名を高めたのです。

またゲーテは勉強家で、大学で法律を学んだ後、弁護士を開業します。

その後も詩集や小説、戯曲を発表するかたわら、内務長官、宮廷劇場の総監督といった職業にも就く、本当にすごい人。

最後の作品は「ファウスト」、着想から60年をかけて書き上げた大作であり、この作品を書き終えた翌年(1832年)肘掛け椅子の左隅にもたれたまま、82年の生涯を閉ざします。

 

2.「若きウェルテルの悩み」あらすじ

この作品はフィクションではありません。

ゲーテ自身の恋愛、実体験をもとに作られた作品です。

許嫁のいる女性ロッテに恋い焦がれるウェルテルは、自分の恋が遂げられぬ恋であることを知り、苦悩の果てに命を絶とうとします。

 

 

3.この作品のすごいところ

この作品は、当時の小説界に驚嘆の渦を巻き起こします。

まず、書簡という形態で描かれた小説は、当時にとってはとてつもなく斬新な手法でした。

また、17,8世紀の小説は読者に娯楽と知識を提供することを目的としていました。

しかしながら、ゲーテが発表したこの作品は、ひたすら主人公が自分のことを喋り続け、挙句の果てに自殺するといったもの。

驚き、なぜ死ぬ!?

この衝撃的な小説に、いっとき自殺が流行ってしまったほど…

ゲーテが登場するまで18世紀もの間、こんな小説はお目にかかれなかったということですね

 

己の内面と深く向き合い、永遠の愛を留めるために死を選ぶ。

新しい小説でありながら、人間の生き方と深く向かい合ったこの作品は、時代を問わず多くの人に読まれる、古典となります。

 

 

4.最後に

作品の文体の美しさもぜひじっくりと味わってみてください!

名言の宝庫でもあり、恋に悩む人だけでなく、どんな人も励まされます。

ゲーテに惚れること間違いなしです!

 

印象的だった一文をあげて締めくくりたいと思います。

 

 

前人未到の道を歩いて足の裏を一足ごとに傷つけても、その一足一足は悩める魂の鎮痛剤の一滴である。」